薬草はだれのものか?

日本の漢方生薬類に対する規制は強く、これは漢方薬剤師のみならず、薬膳料理や薬酒に携わる人々の大障害になっています。中国薬膳や中国漢方を研究する方は特に感じていると思います。もちろん、世間に出回る向精神成分や麻薬・覚せい剤成分を含む違法品を取り締まることは極めて重要なことです。しかしながら、どう見ても食品扱いでもよいと感じるものや、毒性の低い生薬類を規制する権利が国にあるのでしょうか?これでは医師に全ての権限を集中させる結果となり、しかも西洋医学を中心とした今の医学界では、薬草や生薬類は縛り付けられ、閉じ込められたまま陽の目を見られない状況が続くことになります。そもそも、薬草や生薬はだれのものなのでしょう?国の医療費がかさみ、予防医学が問われている今、薬膳や薬酒の可能性に期待される所は大きいと思います。規制の結果として、健康食品や機能性食品など、あやしい表示で高額な価格設定になってしまうのです。
私は以前、薬酒特区として、危険性の低い60余種の生薬を薬酒用に開放してほしい旨の申請をしましたが、かるく一蹴されました。たとえば、薬剤師が自由に処方できる生薬とか、一定の専門知識を有する人に資格を与えて処方できる生薬を開放するべきだと考えます。それが今後の高齢化日本の予防医学に貢献し、医療費の引き下げに繋がると思います。みなさんはどう思いますか。

スパニッシュ・フライ(スペインバエ)に一言

最近インターネットでアダルトサイトからグッズ販売に入ってみて驚きました。女性用媚薬としてスパニッシュ・フライが氾濫しているではありませんか。フライといってもハエではありません。れっきとした?甲虫類で、日本名はマメハンミョウ。「ああ、ハンミョウなら知っているよ。道標(みちしるべ)のことだろ。人が歩く先を飛んでは待っているやつ。虹色にキラキラして綺麗な虫だよ」。いいえ、違うんです。名前にハンミョウは付きますが、ハンミョウ科の昆虫ではありません。ツチハンミョウ科の昆虫で、カンタリジンという猛毒の結晶性ラクトンを含む仲間です。この毒虫の仲間の利用は古く、古代ギリシア・ローマ時代から催淫剤として利用されていたようです。イタリアでは「ナポリの水」、フランスで「愛の丸薬」、イギリスでは「恋愛散」等と呼ばれ、さらに西アジアや中国でも同様の目的で用いられてきました。結局、この道については万国共通ということで、文明あるところにカンタリスあり、といったところでしょうか。カンタリスを服用すると、尿とともに排出される時、尿道や性器粘膜に付いて刺激・充血させ、淫らな感覚を促進させるというわけです。しかし、カンタリジンは致死量30mgという猛毒ですから、命を落とした恋人たちも多数いたようです。急性腎炎や中毒性腎炎から腎不全に至って死亡するといわれます。外用した場合でも、あとで粘膜が腫れたりカブレたりします。簡単に手に入るからといって、安易に使わないようにしましょう。なお、スパニッシュ・フライは、正確にはマメハンミョウ属ではなく、アオハンミョウ(芫青)属の芫青(ゲンセイ)や青娘子(セイジョウシ)の仲間で、南ヨーロッパから西アジアにかけて広く分布しています。(謝)マメハンミョウの写真は他者のページから拝借いたしました。あしからず。

ハブ酒の怨念?

もう15年も前のこと。私が居酒屋『人参果』をやっていた頃、大きな本ハブの酒を作り、店でも出していました。私も疲れた時などは、ちょくちょく飲んでいたのですが、1つ問題があることに気づいたのです。ハブ酒を4・5日続けて飲むと、なぜか性格が攻撃的になり、イライラするのです。これはハブの怨念ではないか!ということで、神社にお参りに行ったりしました。お賽銭が少なかったせいかどうかご利益は無く、結局理由はわからず仕舞いでした。最近、薬剤師の友人と話す機会があり、「それは単に元気になりすぎて、本来の性格が表に出たのでしょう。」なんていわれました。そんなこんなで、6L程の原酒で漬けたハブ酒を3回以上抽出して(3回絞り?)全て飲んでしまいました。今やハブのエキスは私と一体になっています。ハブの怨念恐るべし!

山の幸満喫

「HP:薬酒工房」で熊の心臓の焼肉が超美味だったお話をしましたが、そのとき頂いた熊骨から3種類の味が誕生しました。まず、骨の周りに付いていた肉や筋・軟骨を削ぎ、佃煮風に煮付けた熊肉時雨煮。これは、ご飯のおかずにドンピシャ。肉の味と食感がしっかりしているので、スパイスや濃い目の味付けにも負けず美味かった。次は骨から取ったスープです。臭みは全くなく、濃厚なスープが取れました。ちょうど正月だったので、お雑煮のスープに使ったら、これもコクがあって美味しい。熊の骨スープの雑煮でリッチな気分になれました。そして、最後が目的の熊骨酒。これは美味いとはいえませんが、植物性薬酒とブレンドしてたまに飲みます。熊骨を満喫した2006年の正月でした。
その後、別のツテでマムシをお願いしていました。7月に入って、マムシが捕れたからと連絡があり、行ってみると一升瓶に2匹のマムシが捕獲されていました。早速頂いて捌いたのですが、片方の腹に卵があったのです。黄身だけの楕円形が7〜8個数珠繋ぎ状態で出てきました。これを卵焼きにしたのですが、鶏卵の黄身だけ焼いたものに近く、味は濃いのですが、ボソボソしてあまり美味しくはありませんでした。と思う間も無く、翌日も1匹頂き、これも卵持ちです。今度は鶏卵2個にマムシの卵を混ぜ、本格的卵焼きに仕上げてみました。コクのある神秘的な卵焼きでした。皆さんの親切で、いろんな山の幸を満喫しています。

黒胡麻酒は強精酒?

胡麻が体にいいことは、私がここで論じる必要はないでしょうが、黒胡麻酒が強精酒になるというお話は、皆さんに伝えておきたいと思います。当初は健康目的で作ったのですが、飲んでみてビックリ。焼酎同様、水割りで飲んだのですが、その日の夜中に突然目が覚め、なんとムスコがカチンカチンなのです。そこで、翌日から一般の酒類(焼酎・日本酒・ワイン・ビール等)や強壮薬酒と比較しながら検証したのですが、黒胡麻酒を飲んだ夜だけ80%以上の確率で起こるのです。これは私だけに特異な現象なのかもしれませんが、皆さんも試してみる価値はあると思います。もしダメでも、別の健康効果も期待できますから。身近な素材の中にも、高級生薬に勝る素材が隠れているよい例だと感じました。疲れているお父さんは、すぐ漬け込みましょう。作り方:黒胡麻200〜300g(多くても少なくてもよい)を煙が出るまで乾煎りし、冷ましてから1.8Lの25度焼酎(甲類でも乙類でもお好み)と漬け込む。砂糖は原則入れない。3週間くらいから飲めます。漉して飲みましょう。1回量は50ml前後までにしましょう。水割り・お湯割り・ロックなどで。香ばしくて美味しい薬酒です。ちょっと高価ですが、国産黒胡麻を使うと、風味が一段とよく仕上がります。私は、普段飲みは中国産で我慢してますが。