果実酒シーズン到来

6月は本格的な果実酒のスタート月。梅酒に始まる、美味しい果実酒のオンパレード。皆さんも是非このシーズンに果実酒生活を始めましょう。本当に美味しい果実酒・薬酒をいくつか紹介します。

梅酒について

■基本の漬け方
梅:1kg、ホワイトリカー35度:1.8L、氷砂糖:300g。1年後に濾して細口ビンに保存し、賞味開始。
■砂糖の量と種類
*砂糖の量は、各種資料(原酒・砂糖のラベル、パンフ、果実酒本等)によってまちまちですが、失敗の原因の1つに砂糖の入れ過ぎが挙げられます。梅酒を作ってほったらかしにしてしまう人のほとんどが、甘すぎて飲めないと言います。一般的に梅1kg・原酒1.8Lに対し、氷砂糖の裏には砂糖1kg、35度ホワイトリカーの裏で500gと、全体的に多目です。本では逆に、無糖・大さじ2杯・150g・300gなどやや少なめです。飲み方や好みにもよりますが、500gを超えると多すぎ、逆に無糖では抽出が進みません。ロックで飲む場合、150~300gくらいがおススメです。漬け込んだ後に砂糖の引き算は出来ませんので注意してください。
*昔は氷砂糖一辺倒でしたが、今はさまざまな糖類が使われるようになりました。黒糖や蜂蜜入りの商品も出回っています。梅酒本来の味に飽きた方は試してみるとよいでしょう。黒糖はコクが出て面白い味です。
■原酒について
*梅酒ブームなのか、市販品でさまざまな原酒を使ったものが紹介されています。各種焼酎・泡盛・ウイスキー・ブランデー・ラム・日本酒などなど。私も日本酒・ウイスキー・ブランデー・紹興酒などで漬けた経験がありますが、おススメはブランデーです。これは風味がよく高級感があります。なお、紹興酒や20度以下の酒類を使う場合は、35度ホワイトリカーと半々くらいにブレンドして、アルコール度数を25度以上に調整してください。抽出の遅れと、仕上がり後の変質などの心配がありますので。
★梅以外の果実酒での酸味料について
*酸味が不足する果実の場合、酸味料を加えると美味しく仕上がります。。一般的にはレモンを使いますが、レモンは必ず皮を剥いて、スライスして加えましょう。レモン酒を作る場合は、皮と実に分けて漬け、皮は国産レモンを使ってください。輸入柑橘類は防カビ剤がたっぷり付いています。洗ったくらいでは取れませんので注意してください。
*梅を冷凍しておいて、その都度利用する方法もあります。ただし梅の風味が強いので、梅酒ブレンドのような風味になります。ほかに、市販のクエン酸を添加する方法もあります。これは純品なので添加量に注意してください。ちょっと多すぎると、酸っぱくて酒が台無しになってしまいますから。

夏の果実酒(6~8月)

■梅の仲間
アンズ、プルーン、ソルダム、プラムなど多数ありますが、アンズ酒が一番でしょう。漬け方は基本的に梅酒と同じです。杏仁香の漂う美味しい果実酒に仕上がります。1年後に濾してください。種の中の仁を取り出して、漬け戻す方法もあります。これはビワやライチーなどでも行うことがあります。なお、プルーンやプラム・ソルダムなど、皮の表面に艶があり硬いものは、包丁などで切れ込みを入れてから漬けましょう。

ベリー類
●野生の木苺類、ラズベリー・ブラックベリー、ブルーベリー・クロマメノキ、桑の実(マルベリー)、ガンコウラン(トップ写真)、カシスやフサスグリなど。
 
★右はモミジイチゴ、左は不明
■ラズベリーなどの木苺類は軽いので、原酒のml数の1/3~1/4のグラム数前後の果実を漬け込みます。35度ホワイトリカー1800mlに対して400~600g程度です。酸味を補う場合は、皮をむいたレモンスライスを1~2個加えましょう。砂糖は控えめに150g程度がよいと思います。1ヶ月程度で濾して仕上げます。変色・香りの消失が早いので、早めに飲むようにします。
■ツツジ科のブルーベリー、クランベリーなどの栽培品は1/3量、野生のクロマメノキ、ガンコウランなどは1/4前後の量で漬け込んでください。こちらは2~3ヵ月をめどに濾してください。ベリー類の赤や紫色はアントシアニン系色素なので、レモンなどで酸性にしてあげると発色がよくなります。
 
■桑の実酒:桑の実600g/35度1.8Lで、レモン1個分、砂糖300g程度がおススメ。桑の実は黒い完熟果と赤紫の未熟果を2:1くらいで漬けるとよいでしょう。また、レモンの代わりに梅を300gくらい加えると酸味と風味が加わって美味しい果実酒になります。時期がずれそうな場合は梅を冷凍ストックするとよいでしょう。

■その他果実類
●またたび、ビワ、山桜、ウワミズザクラなどは美味しい果実酒になります。
 
★左はウワミズザクラ(アンニンゴ)、右はマタタビ。
■ビワ酒:果実900g/35度1.8L、砂糖300g程度がおススメ。熟成には半年~1年。ビワは市販のものより家庭果樹として植わっているもので、果肉の少ないものの方が美味しい果実酒になります。一度濾した後、種だけを再度漬け込むと香りが増し、さらに美味しくなります。ぜひ作って欲しい果実酒の1つです。
■マタタビ酒:果実400~500g/35度1.8L、砂糖300g。酸味が無いのでレモンを入れてもよい。また、梅酒を先に作っておき、そこにマタタビを加えて混合果実酒にすると、飲みやすくて美味。冷凍梅を使う方法もあり。半年~1年で濾すこと。梅500g・マタタビ300g/35度1.8L/砂糖300gを参考に。
■山桜酒・ウワミズザクラ酒:果実350~400g/35度1.8L、砂糖300g。3~6ヶ月で濾す。一度に収穫できない場合は、数回に分けて酒に加えてもいいし、冷凍ストックしてまとめて漬けてもいいでしょう。色・風味ともに申し分のない果実酒で、独特のクマリン臭が心地よい美酒です。

輸入熱帯果実
●ライチー、パイナップル、マンゴー、クランベリーなど。写真左下:アップルマンゴー、右下:ペリカンマンゴー
 
■ライチー酒:冷凍・生ともに、果実900g/35度1.8L/砂糖150g/レモン2~3個。ライチーはよく水洗いして拭き、皮と果肉と種に分ける。全てをいっしょに漬け込み、2~3ヶ月、遅くとも半年以内に濾す。そのまま飲んでもよいが、種だけ再度漬け込み、半年くらいおいてから再度濾すと風味が増す。
■マンゴー酒:皮むき果実800g/35度1.8L/砂糖300g/レモン1~2個。マンゴーはアップルマンゴーでもペリカンマンゴーでもかまいません。皮を剥いて果肉を適当に削ぎ切りし、種と果肉をいっしょに漬け込む。1~2ヶ月ほどで濾す。南国情緒たっぷりの美酒に仕上がります。
■パイナップル酒:果肉900g/35度1.8L/砂糖300g。酸味が足りなそうならレモンを加えてもよい。皮と芯を取り除き、果肉を適当にスライスして漬け込む。薄めにスライスして、1ヶ月程度で仕上げるのがコツ。3ヶ月以上長く漬け込むと、風味が落ちてくる。

夏の薬草酒

●イカリソウ酒、クマザサ酒、紫蘇酒 ★写真左下:イカリソウ、右下:クマザサ
 
■イカリソウ酒:生茎葉100~150g/35度1.8L。乾燥生薬(淫羊藿)は60~80g。風味より薬効を期待する野草酒なので、2ヶ月くらいで仕上がるが、半年くらいなら濾さずに置いてもよい。
■クマザサ酒:クマザサの葉50枚/35度1.8L/砂糖100g。1ヶ月くらいから飲め、半年以内に濾す。クマザサはなるべく7月~8月の新葉を使うとよい。冬場の白く隈取られた葉は利用しないこと。葉は固く絞った布巾などで両面を拭き、適当に刻んで漬け込む。野趣溢れる笹臭が嬉しい美味しい薬酒に仕上がります。
■紫蘇酒:シソの葉150g/35度1.8L/レモン1~2個。砂糖は加えずに、お好みで飲むときにシロップを加える。風味はアオジソ、色はアカジソなので、半々にブレンドしてつけるとよい。レモンの代わりに冷凍梅を加えても面白い。逆に、梅酒にアカジソを加えると、色と風味のよい梅酒になる。2週間~1ヶ月程度で濾す。
 
■ドクダミ酒:生茎葉200~300g/35度1.8L。葉茎は花が咲いている時に収穫し、洗って適当に刻み、水気を切る程度に乾かしてから漬け込む。1ヶ月程度で濾して保存・飲用。独特の臭気は消えるので、比較的のみ易い野草酒になる。
■松葉酒:生葉100g/35度1.8L。砂糖はお好みで200g以内にする。2ヶ月で仕上がるが、半年くらい置いてから濾してもよい。ヤニ臭が強いので、漬け込む葉の量はお好みで加減してください。生薬では一般的に赤松を使います。また、生葉は7月過ぎに伸びた新葉を使うとよいでしょう。