秋の果実酒作り:9~11月

6・7月はバラ科果実の漬け込みでいそがしかったですか。秋は薬酒的な果実酒が多くなります。行楽で出かけた先の珍しい果実などは、積極的に果実酒に漬けてみましょう。思いがけない旅の思い出になります。

バラ科大形果実の果実酒について

■基本の漬け方
リンゴ・ナシ・カリン・マルメロ・ボケなど、バラ科の大形果実はカットして漬け込むのが基本です。漬け込み分量は、原酒:35度ホワイトリカー1.8Lに対して、果実は600~1000gくらいです。野生の果実は少なめでもかまいません。砂糖はお好みですが、500gを上限にし、入れすぎないようにしましょう。ただし無糖で漬け込むと、仕上がりが遅くなり、成分抽出が不完全になることもあります。素材にもよりますが、150~300gくらいを目途に考えて増減させてください。果実の繊維を断ち切る方向(横)にスライスするとよいでしょう。薄めにスライスすれば抽出が速くなります。

秋の果実酒(9~11月)

■リンゴ・洋ナシ
●秋の果物の代表がリンゴです。果実酒には酸味の多い紅玉や香りの強いデリシャス系がおすすめです。ブレンドして漬けてもいいでしょう。ナシは香りのよい洋ナシがおすすめです。洋ナシは生食よりも加工向きで、コンポートや洋菓子に多用されます。品種はラ・フランスが一般的で、上品な芳香の果実酒に仕上がります。両方とも分量は35度ホワイトリカー1.8Lに対して果実1kgくらい。砂糖はお好みですが、300gくらいにしましょう。3ヶ月くらいで飲めますが、半年くらい熟成してから濾しましょう。*洋ナシ画像はお借りしました。
 

カリン・ボケ・マルメロ
●カリン・マルメロやボケは堅くて生食には向きませんが、果実酒にするとすばらしい芳香の美酒に仕上がります。一度チャレンジしてください。
 
■ボケやクサボケ(シドミ)は、リンゴなどを入れて追熟させてから漬けると、香りがよくなります。ボケは生果実300g/35度900ml/砂糖150g。クサボケは250g前後でよいでしょう。1年くらい熟成させて濾しましょう。たくさんは手に入らないと思いますから、少量でも同じ比率で漬けてください。詳細は「滋養強壮」の項参照。
■カリン・マルメロは、漬け込む前に下処理が必要です。カリンは果実の表面をロウ質が保護しているので、お湯で表面をゴシゴシ洗ってください。マルメロは果実の表面を毛が覆っているので、タワシなどで毛を洗い取ってから漬けてください。両方ともカットして漬けましょう。分量は果実1kg/35度ホワイトリカー1.8L/砂糖300gくらいで。半年くらいで飲めますが、1年くらい置いてから濾しましょう。

■その他果実類
 
■ザクロ酒:果実は割って、中の実を取り出します。実だけ使い、実350g前後/35度900ml、砂糖150g程度で漬け込む。2,3ヶ月で仕上がりますから、濾して保存します。ルビー色の美しい果実酒ですが、退色しやすいので、早めに飲むようにしましょう。女性ホルモン様物質が含まれている可能性が指摘されています。
■サルナシ酒:果実が少し軟らかくなった頃に収穫して漬け込む。果実900g/35度1.8L、砂糖200g。酸味が少ないのでレモンを入れてもよい。半年くらいから飲めるが、1年くらいしてから濾す。深山の風味が感じられる指折りの美酒に仕上がります。北海道ではコクワと呼ばれ、キウィやマタタビの親戚です。
 
■サンシュユ酒(山茱萸酒):生の果実はナイフで縦に切れ目をいれ、種を取り除く。果肉200g/35度ホワイトリカー900ml/砂糖80g。2ヶ月くらいで飲めるが、半年ほどおいてから濾す。渋味のある強壮酒になる。
■チョウセンゴミシ酒(五味子酒):チョウセンゴミシという名前ですが、日本在来の植物です。中国や韓国では、五味子の名で薬用にされます。生の場合は真っ赤に熟したものを漬けてください。生果実75g/35度ホワイトリカー300ml/砂糖30g(入れなくてもよい)くらいで漬け込んでください。3ヶ月で飲め、半年ほどで濾す。
■クコ酒:日本のクコは果実の小さいものが多いようです。栽培あるいは群生地で生果実を収穫できたら、生のまま漬け込んでみてください。生果実250g/35度ホワイトリカー900ml/砂糖は入れなくてもよいが、お好みで少なめに(クコ自体に甘味があります)。レモンなど酸味を加えても美味しくなります。半年くらいで濾して仕上げる。五味子を酸味に加えれば、本格的な漢方薬酒になります。乾燥生薬は「滋養強壮」の項参照。

■ツチアケビ酒:腐生植物(ナラタケ菌などの落葉や枯木を分解する菌の菌糸から栄養分をもらって生育する植物)の一種で、ランの仲間です。菌が繁殖しそうな日陰に生える植物で、葉や葉緑素はありません。秋にバナナ形の果実を付け、赤く熟します。中は黄色で小さい種が詰まっています。生果実500g/35度ホワイトリカー1.8L/砂糖は入れなくてもよいが、お好みで200gくらい。果実は半分に切って漬けると抽出が早い。半年くらいで濾して仕上げる。
■ナツメ酒:ナツメは、実が熟して皮が茶色になったものを収穫してください。熟して地面に落ちたものを拾い集めるのがよいでしょう。皮が厚くて丈夫なので、地面に落ちても洗って干せば問題ありません。詳細は「ストレス」の項参照。

花の酒
 
■菊花酒:一般的に小形の黄色か白の花を摘んで利用する。食用菊や刺身のツマの小菊でもよい。観賞用は農薬を使っている場合が多いので、確認してから摘む。形態にもよりますが、生菊花150g/35度ホワイトリカー1.8Lくらいで漬け込む。1週間くらいで仕上がります。甘味はお好みですが、少なめにして菊の風味を楽しんでください。10月中下旬が旧暦9月9日の重陽の節句です。この日に菊花酒を飲んで、健康を願う風習があります。今年は10月23日です。乾燥生薬・菊花を使う場合は、「生活習慣」の項参照。
■キンモクセイ酒:キンモクセイはきれいな環境のところのものを利用し、水洗いしないで、摘んでそのまま漬け込みます。収穫は早朝に行ない、咲き始めの花から順次摘んでください。原酒は白ワインと35度ホワイトリカーを半々にブレンドしたものをおススメします。さっぱりしたものがよければ、35度ホワイトリカーだけでよいでしょう。ガラスビンに原酒を入れておき、摘んだ花を漬けて、花が原酒の2/3くらいまで入れてください。1週間ほどで濾して仕上げます。甘味はお好みですが、少なめにしましょう。

秋の薬草酒

 
■トチバニンジン酒(竹節人参):生根茎300g/35度1.8L。根茎だけでは収量が少ない場合は、茎葉や果実もいっしょに漬け込んでかまいません。効能は薬用人参に準じますが、健胃・解熱・去痰作用は薬用人参に勝ります。食欲不振の方におススメの薬酒です。半日陰~日陰のやや湿気のあるところに自生します。
■ショウガ酒:風味は新ショウガ、薬効はひねショウガです。ブレンドして漬けるとよいでしょう。漬ける場合は薄めにスライスしてください。生根茎500g/35度1.8L/砂糖100g。2ヶ月くらいから飲め、半年以内に濾すこと。そのままでも飲めますが、他の薬酒とブレンドしてもよいアクセントになります。風邪予防にも良い薬酒です。
■薬用人参酒:栽培地(長野・福島・島根の各県)の収穫期は9月末~10月末。生が手に入ったら、刻んで漬け込んでください。生根茎300~400g/35度ホワイトリカー1.8Lくらい。丸のままだと、抽出にそうとう時間がかかります。刻んで漬けたもので3ヶ月くらいから飲め、1~2年以内に濾してください。乾燥生薬は「滋養強壮」の項参照。

薬酒くさぐさ

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ボケ酒

チョウセンゴミシ酒

ツチアケビ

枸杞酒

薬用人参酒

その他秋の酒素材

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